「〇〇って、全国的には珍しい名字みたいだよ」
お正月にのんびりしていたとき、
スマホを手にしていた夫が、ふとそんなことを言い出しました。
え、そうなの?
青森では普通にいるのに?
……と思ったのが、ことの始まりでした。
そこから気になって、
「青森には多いけれど、全国では珍しい名字」
をいくつか調べてみたのです。
※サムネ画像はGeminiに作ってもらいました。
こんにちは!髙杉多希です。
訪問してくれてありがとうございます。
雑穀と野菜で作る家庭料理教室 たきさんちを主宰したり、
畑で雑穀や野菜を育てたりして、
Instagramで情報発信をしたりしています。
「たきちゃん」「たきさん」と名前で呼んでください♪
「青森には多いけれど、全国では珍しい名字」
何が思い浮かびますか?
「〇〇って、全国的には珍しい名字みたいだよ」
夫が言い出したことから、
え、そうなの?
青森では普通にいるのに?
そこから気になって、いくつか調べてみたら、
…出てくる、出てくる!
工藤、棟方、小山内、長内、奈良岡、乳井、神……。
青森に住んでいると、
どれも「ああ、いるよね」と思う名字ばかりです。
でも全国で見ると、
実はかなり偏って青森に集まっている名字だった、
というものが少なくありませんでした。
ちなみに、私自身の名字は「髙杉」。
青森でも特別多いわけではありませんが、
県外に行くと、あまり見かけない名字です。
そして、旧姓は「長内(おさない)」。
これもまた、青森ではよく聞くけれど、
他の地域では、まず読んでもらえない名字です。
以下、思いつくままに調べてリストにしてみました。
■ 特に青森らしさが強い名字
(ほぼ青森限定)
工藤(くどう)
棟方(むなかた)
小山内(おさない)
長内(おさない)
奈良岡(ならおか)
乳井(にゅうい)
神(じん)
築館(つきだて)
高杉(たかすぎ)
北山(きたやま)
外崎(とのさき)
毛内(もうない)
今(こん)
舘山(たてやま)
對馬(つしま)
■ 青森に強く偏っている名字
(全国にもあるが、青森比率が高い)
奈良
福士
三上
岩谷
高屋
高谷
小向
松橋
野呂
葛西
相馬
蛯名
■ 読み方で青森らしさが出る名字
古川(こがわ)
いかがでしたでしょうか?
青森にいると当たり前に出会う名字が、
実は全国的には珍しいと知って、
なんだか少し不思議な気持ちになりました。
中でも、やっぱり青森県で目に付くのは、
「工藤」という名字です。
東北といえば、佐藤さんが多い。
これは、よく知られた話だと思います。
実際、秋田、岩手、宮城、福島、山形などでは、
佐藤さんが一番多いのに対して、
青森県、特に津軽地域では、
佐藤さんよりも工藤さんが多いのです。
隣の県と比較してみましょう。
青森県の佐藤8600、工藤10000
岩手県の佐藤16000、工藤2500
秋田県の佐藤24000、工藤3600
参考:苗字アトラス(世帯数)
ちょっと待って(笑)。
佐藤の数が多すぎる(爆)。
岩手には青森の2倍、秋田には3倍の佐藤さんがいるの!?
青森の工藤さんは、
岩手の4倍、秋田の3倍だけど、絶対数が違う!(笑)
同じ東北なのに、どうしてなんだろう?
調べてみると分かってきたのは、
工藤という名字が「特別に増えた」というより、
「変わらずに残った」ということでした。
佐藤姓は藤原氏の流れをくみ、
早くから東北各地に広がりました。
読みやすく分かりやすい名字だったため、
人の行き来や行政の整理が進む中で、
似た系統の名字が次第に佐藤へまとめられ、
結果として東北に多く残ったと考えられています。
しかし津軽は、歴史的に見ても、
人の出入りがそれほど多くなかった地域です。
中央から遠く、
奥羽街道の端っこで、その先は海。
(かつての北海道は「蝦夷」)
人が大きく動く必要があまりなかった。
そのため、
一度定着した名字が、
そのまま使われ続けることが多かったのだそうです。
明治のはじめ、
全国で名字を名乗ることが義務づけられたときも、
津軽では、
それまで使っていた名前を
そのまま届け出た家が多かったと言われています。
新しく分かりやすい名字に変える必要が、
あまりなかったのかもしれません。
工藤だけでなく、
棟方や小山内、長内、奈良岡、乳井、神といった名字も、
同じように残ってきた名前です。
読みにくかったり、
説明が必要だったりしますが、
この土地では、ずっと普通に使われてきた名字です。
津軽の名字を見ていると、
「どんな人か」よりも、
「どこにいたか」「どんな役割だったか」を
表しているものが多いように感じます。
外に合わせて整えられることよりも、
この土地に合っていることが大事だった。
そんな暮らしの積み重ねが、
名字にも表れているようです。
こうして見ていくと、
自分では当たり前だと思っていたことが、
実はその地域ならではの個性だった、
ということは少なくありません。
名字に限らず、
食べものや言葉、
季節との付き合い方や、
日々の暮らしのリズムも、
きっと同じです。
ずっとここで暮らしていると、
あまりに普通すぎて、
わざわざ意識することもないけれど。
でも、少し視点を変えて見てみると、
「なぜ、こうなっているんだろう?」
「どうして、今も続いているんだろう?」
と思うことが、意外とたくさんあります。
青森に工藤さんが多いのも、
特別だからではなく、
変える必要がなかったから。
そんなふうに考えると、
当たり前だと思っていることの中に、
その土地の歴史や暮らしが、
静かに積み重なっているように感じます。
あなたの周りにも、
当たり前すぎて気づいていないけれど、
実は当たり前ではなかったことが、
あるかもしれません。
名字でも、食べものでも、暮らし方でも。
よかったら、
少しだけ身の回りを見回してみてください。

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